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: ファジイとニューロ : ファジイ理論の概要 : ファジイ理論の概要   目次

ファジイ理論のAIにおける位置づけ

現在,ファジイ理論に基づく手法が,エキスパート・システム,ニューロ・コンピューティングと並ぶAI手法としてもてはやされているが,これらの関係は,図2.1のように表すことができるだろう.

図 2.1   各手法の扱う知識の種類
\begin{figure}   
\begin{center}   
\begin{tabular}{\vert c\vert c\vert c\vert}   
\h...   
...順)\hspace*{3mm} & & \\   
\hline   
\end{tabular}   
\end{center}   
\end{figure}

エキスパート・システムは,計算機処理の世界に知識の表現法を導入し,従来のように確定的な手順を記述しなくても,入力された知識からある結果を推論することを可能にした.しかし,この手法では,エキスパート(人間)の知識をはっきりしたルールの集合として与えなければならず,これが実際のAI構築の際に大きな問題となった.つまり,実際のエキスパートの経験的な知識には理論がはっきりしない曖昧なものが多く,ルールの抽出が困難な場合が多かったのである. ここで,このような曖昧知識の表現問題の解決方法とし脚光を浴びるようになってきた手法が,ファジイおよびニューロ・コンピューティングである.ファジイ,ニューロの各手法は,曖昧な知識表現の手法であり,これらは,エキスパート・システムや従来の手続き型のアルゴリズムと対立し置き換わる技術ではなく,むしろ,曖昧さを扱う要素技術として従来法に取り込まれて行く技術である.

平成12年5月17日