: クリスプ集合に対する可能性測度と必然性測度
: ソフトコンピューティング 講義資料(II)
: ファジィ理論と他の論理体系の関係
  目次
前章までで,タイプ2ファジィ集合は,可能性,必然性といった様相概念と関連が深いということを示唆した.本章では,ファジィ理論,ファジィ集合と可能性,必然性という様相概念がどのように係わりあっているかについてさらに考察を加える.
ここで,まず可能性,必然性とはどういう概念なのかを感覚としてとらえるために,簡単な場合として,クリスプな集合を取り上げて,そこで,可能性,必然性がどのように測られるのかについて考察する.そして,それがクリスプ集合をファジィ集合に拡張した場合,可能性,必然性の測り方がどのように拡張されるのかをみた後,このような可能性,必然性が,第4章で紹介した,様相論理のKripkモデルとどのように対応しているのかということについて考察する.さらに,第1章で紹介した言語的真理値(即ちタイプ2ファジィ集合の真理値)とその特別な場合である区間真理値および可能性,必然性の間にはどのような関係があるのかを考察する.最後に可能性,必然性が実際にファジィ理論の手法として応用されている例として,ファジィ数の大小関係の比較の場合を紹介する.
平成12年5月17日