: 結言
: ファジィ・インターバル論理
: FI真理値における二つの半順序関係:「真偽」と「曖昧さ」
  目次
FI論理のもう一つのおもしろい性質として,FI論理が基本的に4値に量子化されるということが証明されている.
FI論理では,とを結ぶ直線上の一つのFI真理値
を考えたとき,任意のFI真理値に対する,次のようなををで量子化した値として定義する.
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(6.3) |
これを図6.6上でみると,はをによっての4つのどれかにカテゴリ分けしたことになる.このような量子化定理を用いると,任意のFI論理上の論理演算結果のによる量子化は,論理演算される前の入力をそれぞれ
の量子化したものの論理演算に等しくなる.即ち例えば,
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(6.4) |
などが成立することを示している.これは,タイプ1ファジィ集合をカットすることにより,真理値が1と0の2値に量子化されたことに対応する概念であると考えられる.
図 6.6
FI真理値の量子化
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さらに次のような解釈も可能であろう.つまり,は「真である必然性がである」ことを表していると考えられるが,これは必然性と可能性の様相性から,「真ではない(偽である)可能性がである」ことを表しているとも解釈される.もちろん「真である可能性はである」から,これらからFI真理値は
を台集合とするファジィ集合として図6.7の上図のように表せるであろう.ここで,式(6.5)の量子化はこのファジィ集合をによってカットして,図6.7の下図の4パターンのどれかに分類したことにあたる.ここで,図6.7の下図の4パターンは,確かに,それぞれ,1は真である可能性しかない,0は偽である可能性しかない,は真である可能性もあるし偽である可能性もある(つまり,わからないから無知),は真である可能性も偽である可能性もない(つまり,真偽の決定のしようがないから矛盾)を表しているから,内容的にも頷ける.
図 6.7
FI真理値の量子化のカットによる解釈
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FI論理に関しては,まだ発表されたばかりであり,十分な研究がしつくされていないが,このように基本的に4値である論理ファジィ理論を効果的に応用に用いる場合に非常に重要な基本的アイディアを与えていると考えられる.
平成12年5月17日